『Shut the Box』は、『Canoga』『Cjerra La Caja』『Klip Klap』『Fermez La Boite』『Boc-Tin』『Nine Boxes』『One to Nine』『Zeppelin』『Klappenapiel』とも呼ばれるダイスゲームです。サイコロ2個の出目に応じて9枚のタイルを閉じていき、点数を競います。全てのタイルを閉じることができたなら「シャット・ザ・ボックス」と宣言します。
どのタイルをどのタイミングで閉じるかが、悩ましくもあり愉しくもあります。
このゲームの詳しい起源は分かっていません。しかし、12世紀の絵画にゲーム用具らしきものが描写されてます。18世紀には北フランスのノルマンディやチャネル諸島の船乗りや漁師の間で流行しました。いくつかの文献では「18世紀に発祥した」とありますがそれは間違いです。文献をたどって見ると、「数世紀前に発祥」が「少なくとも200年前に」になり「18世紀に」になり、それがフランスでの流行と混同された可能性があります。
いずれにせよ、このゲームは船乗りたちによって世界中に紹介されました。現在では、世界中のあちこちでこのゲームを見ることができます。特に、タイ王国で盛んです。ギャンブルに用いられるだけでなく、幼児の教育にも用いられます。
市販品のほとんどは、ダイストレイにタイル9枚が取り付けられた木箱です。木箱には蓋が取り付けられているものもあります。もちろん、ダイス2個も付属しています。
でも、ゲームをするだけなら、サイコロ2個とタイル9枚があれば十分です。ダイスを振るためのカップやトレイもあればなお良いでしょう。得失点の記録のために筆記用具や計算機などがあれば便利です。
ゲーム用具を自作するのは非常に簡単です。例えば、麻雀セットがあれば、サイコロ2個はそのまま、牌を入れるケースはダイストレイに、筒子9種はタイルに、点棒は得点計算用に流用できます。また、トランプのカードや木製15パズルのタイルも流用できます。
例えば2と4の目が出たならば、以下のいずれかのようにタイルを閉じることができます。ゲーム開始前に決めておいて下さい。
誰かが全てのタイルを閉じることができた場合の処理です。ゲーム開始前に決めておいて下さい。このゲームは先手がわずかに不利なので(後手はハイリスクハイリターンかローリスクローリターンかを選択できるので)、「Shut the Boxはゲーム終了」のルールも多用されます。個人的には、「最終ラウンドでのShut the Boxはゲーム終了」あたりがバランス良いと思ってます。
以下のいずれか場合は、サイコロ1個で振ります。ゲーム開始前に決めておいて下さい。
例えば1と5と8のタイルが残った場合の失点です。ゲーム開始前に決めておいて下さい。
各ラウンドの最初に全員が参加料をポットにプールします。手番は1回ずつです。ラウンドの最後に勝者がその掛け金を山分けします。
なお、「シャット・ザ・ボックス」(全てのタイルを閉じること)を達成したプレイヤーは即座に勝利となり、掛け金の倍額を全プレイヤーから受け取ります。
前のプレイヤーの手番終了状態から(タイルをリセットすることなく)サイコロを振りはじめます。偶数手番のプレイヤーは、タイルを閉じるのではなくタイルを開いていきます。失点は、「the long score」ルールを用います。
あらかじめ決めてあったラウンド(3ラウンド程度)をプレイします。失点合計が少ないプレイヤーが勝ちます。ただし、奇数手番のプレイヤーが全てのタイルを閉じるか、偶数手番のプレイヤーが全てのタイルを開けば、失点合計に関わらず即座にそのプレイヤーの勝ちになります。
手番にはサイコロを2つを1回だけ振り、いずれかの目あるいはそれらの合計のタイルを倒す。最後に倒した人の次の人が負ける。
必ずしも大きな数字を閉じればいいというものでもありませんし、必ずしも小さな数字を残せばいいというものでもありません。
その他のメモなど。
1980年代前半のクイズ番組。『シャット・ザ・ボックス』のルールで賞金額が決まった。
日本語の資料もあります。
輸入雑貨品を扱う店や木製玩具を扱う店でたまに見かけることができます。特にタイ雑貨を扱う店で見かけます。通信販売で入手するのが確実でしょう。例えば、PINTOY社の『Shut the Box』が輸入されてます(2000円ぐらい?)。書泉ブックマートで、FrontPorchClassics社の『CIRCA Shut-the-Box』が3000円で売られてました。
以下のサイトや文献を参考にしました。