さいころ賭博

近代日本におけるさいころ賭博。

『チョボ一(チョボイチ)』『狐ちょぼいち』(江戸時代)
子はそれぞれ任意の目にチップを掛けます。親がダイス1個を振ります。出目が当たれば4倍のチップを子が受け取ります。外れればチップは親に没収されます。
『大目小目(オオメコメ)』『大小(ダイショウ)』(江戸時代)
『丁半』のダイス1個バージョン。小目(1,2,3)か大目(4,5,6)にチップを張る。胴元と賭客との勝負なので配当倍率はそのつど変化する。
『ピンころがし』(明治時代)
プレイヤーがそれぞれ同額のチップを出す。順にダイス1個を振る。最初に1の目を出したプレイヤーが勝利する(チップを総取り)。これでは先手有利なので、自分が振るときにチップを出すルールもある。
『五割』
『ちょぼいち』の5倍配当バージョン。
『丁半』(江戸時代)
ダイス2個の和が偶数か奇数かを当てる。賭客同士が勝負する。偶数方と奇数方とに同額のチップが張られてから、出目が公開される。
『四三(シソー)』『四六(シロク)』
『丁半』の一種。胴元と賭客とが勝負する。「3+4」又は「4+6」が出て賭客が勝利した場合は、胴元は通常の半額を払えばよい。
『四下(シシタ)』(江戸時代中期以降)
「1」「2」「3」「4」の四区画ボードを用いる。子は任意の区画にチップを張る。ダイス2個の和を4で割った余り(但し0のときには4を足す)で勝負する。廻り胴。
『緩急』
『ちょぼいち』のダイス2個バージョン。ダイス2個の和が6以上になったときは5又は10を引く(?)。配当は4倍。
『兎』(明治時代)
『ちょぼいち』のダイス2個バージョン。こちらは2回のゲームを一度に行うようなもの。2箇所に張ることができる。配当は3倍。
『狐』『狐ちょぼ』(江戸時代)
子はそれぞれ任意の目にチップを張ります。親がダイス3個を振ります。子が掛けた区画と同じ出目が1つだけあった場合は同額が、2つあった場合は3倍額が、3つあった場合は4倍額が、配当となります。1つも合わなければ掛け金は没収されます。
『ヨイド』『シド』(昭和時代)
子はそれぞれ4区画(4つの碁石が用いられる)の任意の区画にチップを張る。親はダイス3個を振り、その和を求める。第一の区画(左端の碁石)「トチ」は、5,10,15が、第二の区画「四九」は、4,9,14が、。第三の区画「八」は、3,8,13、18が、第四の区画「ビリ」は、7,12,17がそれぞれ対応。6、11、16の出目「ヨイ」は親の勝ち。ちなみに、いずれの区画とも確率20%である。このゲームの元となった『十四九(トオシク)』は安政時代のもの。
『狢(ムジナ)』(大正時代)
『狐ちょぼ』のダイス4個バージョン。但し、1個当たりは勝負無し、2個当たりは2倍、3個当たりは3倍、4個当たりは4倍。
『チイッパ』)
サイズ違いのダイス4個(2番目に小さいダイスだけは赤目)、黒碁石1個、白碁石3個を用いる。『ヨイド』同様に碁石がチップを張る区画になっている。赤目以外のダイス3個の和を用いる。第一の区画(左端)は、5、10、15、第二の区画は、4,9,14が、第三の区画は、3,8,13が、第四の区画は、7,12,17に対応する。次に、黒碁石を置いた位置に応じて再び判定する。黒碁石が第一区画(左端)になっていれば、最も大きいダイスを計算に入れないで残りの3個(赤目を含む)の和で勝負する。以下同様。
『チンチロリン』(昭和時代)
サイコロ3個を用いる。3回まで振ることができ、役を作って競う。
『天賽』『天災』(大正時代)
六面体の三面が白の1で残りの三面が黒の1になっている専用ダイス5個を用いる。賭客は黒が多く出るか白が多く出るかに賭ける。但し、「総黒の天賽(5個とも黒)」又は「総白の天賽」のときは勝者への配当は無い。
『ケンノジ』『三粒』
詳細不明。なお、『けんねじ』は江戸時代の賭博で、互いに手を銭を握ってその数を言い当てるもの。恐らくは、銭の代わりにダイスを用いたものではないか?
『五層源平』
詳細不明。恐らくは、『狐源兵衛』(『狐ちょぼ』の別名)のダイス5個バージョンではないだろうか?
『タブサキ』
詳細不明。
Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )