所有しているサイコロ関連の書籍について。
サイコロをモチーフにした工芸品はときおり見かける。しかし、絵画はほとんど見かけない。
『ひろがる視覚世界「遊びの博物館」図録』朝日新聞社(1979年)。なにはともあれ、この本を紹介したい。私がパズルやゲームに興味を抱くきっかけとなったものだ。
この本は、1979年に朝日新聞東京本社企画部によって催された展覧会『ひろがる視覚世界「遊びの博物館」』のカタログである。当時の私は、なぜかエッシャーの不思議な絵に興味を持っており、家族に連れられてこの展覧会を見学することになった。そのときに入手したカタログを私物化したものである。何度も何度も読み返し、いまではすっかりボロボロになっている。なお、1997年に渋谷の古書店で付録付きの美品を見つけたので予備として購入した(1000円)。
このカタログの53頁に掲載されている『SAIKOLOGY』(安野光雅。1972年。水彩。22×21cm)こそ、私がサイコロに興味を抱くきっかけになった水彩画だ。図案は、サイコロが斜めに切り取られているだけの非常にシンプルなものだ。しかし三次元的にはありえない不可能な図形である。
サイコロの歴史は古く、密接と言うほどではないものの人々の生活に関わってきた。サイコロの材質や形状にはさまざまなバリエーションがある。
増川宏一『(ものと人間の文化史70)さいころ』法政大学出版局(1992年)2900円+税(ISBN4-588-20701-6 C0320 P2987E)。四六判374頁。背表紙はベージュ地に黒文字。
法政大学出版局から出版されている「ものと人間の文化史」シリーズは、恐らくは赤字覚悟のものであろう。よくぞそんなマイナーなものを扱っているな、と感心することしきり。その第70巻にあたる『さいころ』は、さいころの歴史を扱っている数少ない書である。
章立ては以下の通り。
個人的意見だが、ダイスゲームを名乗るならば、ダイスをメインで使うものでなければならない。麻雀はダイスを使うがダイスゲームではない。そして、ダイスゲームを名乗るならば、単なる運任せや作業的プレイではなく、そこにはプレイヤーの意思決定の余地が含まれていなければならない。
松田道弘『おもしろゲーム実戦本』講談社文庫(1987年)380円(ISBN4-06-184051-7 C0176 \380E)。文庫サイズ。背表紙は橙色に黒文字。
第Y章「さまざまなダイスゲーム(167〜187頁)」に、絵双六の「へびとはしご(Snakes and Ladders)」、スコアゲームの「フーリガン(Hooligan)」と「ヤム」、ポーカーダイスを用いた「ポーカーダイス(Poker Dice)」と「ライアーダイス(Liar Dice)」、ドミノ牌を用いた「ドロウゲーム」と「ドミノパズル」、が紹介されている。
松田道弘『遊びの世界の味覚地図』社会思想社(1988年)1500円(ISBN4-390-60309-4 C0076 \1500E)。B6版。背表紙は白地に赤文字。
この本は後に『ベストゲーム・カタログ』として文庫化されている。
松田道弘『ベストゲーム・カタログ(現代教養文庫)』社会思想社(1993年)699円+税(ISBN4-390-11482-4 C0176 P720E)。文庫サイズ。背表紙は白地に黒文字。
『遊びの世界の味覚地図』の文庫化。大幅に加筆されている。
「パチーシ」「がちょうのゲーム」「浄土双六」「道中双六」「蛇とハシゴ」「ウサギとカメ」、「グリード」「ヤッツィー」「フーリガン」「ヤム」「ヨット」「ライアーダイス」「ライアーズダイス」などが紹介されている。
松田道弘『世界のゲーム事典』東京堂出版(1989年)2900円+税(ISBN4-490-10266-6 C1576 P2987E)。B5版。背表紙は白地に青文字。
第2章「ダイスを使うゲーム(55〜86頁)」に、サイコロの歴史について簡単に触れた後に、「ビートル(Beetle)」「ヨット(Yacht)」「ダブルカメルーン(Double Cameroon)」「サーティシックス(Thirty-Six)」「ポーカーダイス(Poker Diec)」「ライアーダイス(Liar Dice)」「クラウン&アンカー(Crown and Anchor)」「ベル&ハンマー(Bell and Hammer)」「センテニアル(Centennial)」「フィフティ(Fifty)」「ピッグ(Pig)」「バックギャモン(Back gammon)」「ギリシャ式バックギャモン(Plakoto)」「トルコ式バックギャモン(Moultezim)」「エーシーデューシー(Acy Deucy)」が紹介されている。なお、第3章は「ドミノを使うゲーム(89〜110頁)」である。
桐山雅光・西田早苗『楽しく遊べる トランプ・花札・ダイス』有紀書房(1992年)583円+税(ISBN4-638-00725-2 C2076 P600E)。B6版。背表紙は薄桃地に黒文字。
まえがきには、ダイスゲームについて「正しい遊び方からはじまって、新しい遊び方まで豊富に収め
」と「いま流行しはじめたダイス遊び
」とある。前者はともかく後者については、いささか同意しかねますが…。
ダイス編(223〜254頁)は、ダイスに関する一般的な知識に少しだけ触れているが、ほとんど全てがゲーム紹介に費やされている。
ダイス5個を使うゲームとして「ポーカーダイス」「アメリカンダイス」「宣言ポーカーダイス」「点取りポーカーダイス」「ワイルドポーカーダイス」「ファイブダイス」「上海ダイス」「カウンターズ」「オーダーズ」が紹介されている。
続いて、ダイス3個を使うゲームとして「センテンニアル」「野球ダイス」「スイート」「チンチロリン」「ダイスマージャン」「ダイスゴルフ」が、ダイス2個を使うゲームとして「丁半」「カブ」が、ダイス1個を使うゲームとして「二十一」「チョボ一(ちょぼいち)」が、ダイス6個を使うゲームとして「ミリオンダイス」が紹介されている。
von Reiner Knizia "Das grose Buch der Wurfelspiele" Heinlich Hugendubel (2000)
124種類のダイスゲームが紹介されている。章立ては、運ゲーム、チップを使った運ゲーム、カジノゲーム、進歩ゲーム、リスクゲーム、カテゴリーゲーム、ブラフゲーム、となっている。
。
。