Pylos (パイロス、ピロス、ピラオス)

Pylos deluxe

ボードゲーム『Pylos(Pyraos,パイロス,ピロス)』(1994年/Gigamic)は、正方ピラミッド状(4x4,3x3,2x2,1)に駒を積み上げていく2人用ゲームです。ルールは簡単ですが、なかなか考えどころがあります。

ルール

ゲームの最初にそれぞれのプレイヤーはそれぞれ駒15個ずつ持ちます。

手番には、空きマスに手元の自駒を配置するか、既に配置されている自駒をより上の段のマスに移動させます。同色で正方形(または1段目あるいは2段目で直列)ができたなら即座に0〜2個を盤上から手元に回収できます。なお、土台になっている駒は移動も回収もできません。

頂上に自分の駒を置ければ勝ち、配置も移動もできなければ負けです。

ヴァリアント

Square3 Square4 Square

上級者用ルールの「1段目あるいは2段目で直列」は僅かに説明しづらいです。そこで「直列配置(8パターン+6パターン)」の代わりに「非接触正方形(11パターン+2パターン)」を提案します。その内訳は「斜めでないサイズ3非接触正方形(4パターン+1パターン)」と「斜めでないサイズ4非接触正方形(1パターン+0パターン)」と「斜め45度の正方形(4パターン+1パターン)」と「その他の斜め正方形(2パターン+0パターン)」です。

類似ゲーム

「手番に駒を積み上げていき、規定の形を作ったり頂上に置いたりできたら勝ちあるいは置けなくなったら負け」というゲームは昔からたくさんあります(「崩したら負け」もありますがそれは別に扱います)。『pylos』のように「ピラミッド様に駒を積み上げていって頂上に置いたら勝ち」というゲームもその一つです。この二人零和有限確定完全情報ゲームは駒を置くことのできる残りスペースの偶奇で勝敗が確定しますので、たいていはプレイの途中でその偶数が入れ替わりえる複雑化ルール(例えば規定の形に並べたら駒を追加で配置あるいは除去できる)が設定されてます。

『アッパーハンド(UpperHand)』は、正方ピラミッド状に駒を積み上げていくゲームです。手番には、空きマスに自分の色の駒を配置します。2x2の正方形ができたなら過半数を占める色の駒を即座にその上に追加で配置します(この配置は連鎖しえます)。自分の駒を使い切るか頂上に置かれた色のプレイヤーが勝ちです。ちなみに二次元で遊ぶこともできます。

プレイ

基本的には手元により多くの駒を残しておけばいいです。その為に、手元からではなく盤上から動かしたり、正方形を作るようにプレイします。

所感

Pylos deluxe

私が所有しているのは、一般に販売されているクラシック版よりも大きなデラックス版(盤は37×37cm。球はタコヤキサイズ)です。見た目はなかなかお洒落なのですが、その大きさゆえに自宅専用ゲームです(苦笑) < だから、「とぶとり会」でしかプレイされなかったり。

コンピューターで解析すれば先手必勝あるいは後手必勝を証明できるはずですが、そういうのは数学者や技術者に任せてます(もちろん私もその一人ですし、そういう解析は愉しいです)。しかし、ゲーマーとしての私は「こういうのは人間の頭脳で挑戦するのが愉しい」とも考えます(それは、機械の助けを借りずに自分の身体だけでプレイするスポーツのようなものです)。これら相反する愉しさを最大に味わう為に「まずは飽きるまで遊ぶ」としています。遊び飽きた頃にまだ知的興味を抱いていたら、PCに向かってアルゴリズムを組めばいいと思ってます。

ARAI Satoshi ( arai@luminet.jp )