ククゲーム『Cambio(カンビオ,カンピオ)』

ククのカードセット

Cambio(カンビオ,カンピオ)』は、フランスで発祥しイタリアで伝統されているギャンブルゲームです。クク(Cucco,Cuccu)と呼ばれるカードセットを用います。日本で用いられているルールは日本独自のものです。

何が面白いのか?

勝たなければならないのではなく負けなければいいという状況でいかにして最弱のカードを他人に押し付けるかが非常に面白いです。

Equipments

ククのカードセット

Rules

『カンビオ(Cambio)』のルール(現代日本バージョン)について

インストラクション

ゲームの最初に全員が参加料としてチップ1枚をポットに入れます。最初の3ディールは、失格するとそのディールの数字と同じ枚数のチップをポットに入れます。4ディール以降は失格すると、ゲームから抜けなければなりません。ディールを繰り返し、誰か一人だけが生存するようになったらそのプレイヤーがポットにあるチップを総取りします。次のゲームに移ります。ゲームを繰り返し、誰かが破産したら終了です。

ディールの流れについて説明します。

ディールの最初に各プレイヤーに1枚ずつカードが配られます。親が「どうぞ」と言ったら、親の右隣のプレイヤーから左回りの順に、手持ちのカードを右隣の人と交換することができます(交換しなくても構いません)。最後に親が山札(親の右隣りのプレイヤーとみなす)と交換することができます。ディールの最後に、全員のカードを公開して強弱を比べます。最も弱いカードを持っていたプレイヤーたちがそのディールの失格者となります。

交換にあたって、特殊効果をもつカードがいくつかあります。

梟:私は全てを明らかにする
ディール中いつでも「クク」と宣言することにより、全ての交換が終了したものとすることができます(つまり、即座に全員の強弱を比べて失格者を決定します)。なお、山札の梟は交換拒否の扱いになります(山札が「クク」を宣言したと見なします)。
人間:私に挑むものは全て滅びるであろう
交換を拒否します。その場合、交換を申し込んだプレイヤーが失格となります。
馬:私は跳ねて飛び越える
馬または家のカードであることを宣言し、交換を拒否します。その場合、更に右隣のプレイヤーとの交換になります。山札から引いた場合は、更にその次の山札との交換になります。
猫:私の呪いはさかのぼる
猫の鳴き真似をすることにより、交換を拒否します。その場合、交換を申し込んだプレイヤーが持っているカードを最初に持っていたプレイヤーが失格となります。
家:あなたは私を通り過ぎる
馬と同様です。
数字,桶,仮面,獅子
交換には応じなければなりません。特殊効果は有りません。
道化(Matto):私は最も弱く、最も強い
交換には応じなければなりません。交換で受け取ったプレイヤーは失格となります。但し例外として、山札から引いた道化は梟よりも強い最強のカードとなります

インストラクションその2(録音から書き起こし)

ククカードはマイナス4からプラス15までの20ランクが2枚ずつ合計40枚のカードセットです。ククカードのもっとも有名な遊び方である『カンピオ』というギャンブルゲームを紹介いたします。

何回かのディールを繰り返して1ゲームになります。ゲームの最初に座席を決め、全員が参加費として1チップをポットに出します。最初のディールで負けた人は1チップを、2ディール目で負けた人は2チップを、3ディール目で負けた人は3チップをポットに出します。このポットが賞金になります。チップを支払えなかった人と4ディール目以降に負けた人はチップを出す代わりにゲームから脱落します。最後に残った1人がポットの賞金を総取りします。

それでは各ディールの流れを説明いたします。

まず親が全員に一枚ずつ配り「どうぞ」と言います。親の右隣の人から反時計回りに「自分のカードを右隣の人と交換するか否か」をプレイしていきます。最後の手番になる親は「山札の一番上と交換するか否か」をプレイします。そしてディールの最後に最も弱いカードを持っていた人が負けます。つまり、弱いカードはどんどん右隣に押しつけられていくわけです。

20ランクのうち最も弱いカード1種類と強いカード5種類が特殊な役札です。まず最も弱い「道化(-4)」です。交換で「道化」を受け取った人は即座に負けとなります。次に「馬(13)」と「家(11)」です。交換を申し込まれたら「スキップ」と言うことで交換を拒否しそして自分の更に右隣の人との交換にさせます。「人間(14)」は交換を申し込まれたら「私は人間です」と言うことで交換を拒否しそして交換を申し込んだ人を即座に負けにします。「猫(12)」はちょっとだけややこしいです。交換を申し込まれたら「ニャー」と言うことで交換を拒否し、そして交換を申し込んだ人が持っていたカードを最初に配られた人を即座に負けにします。最後は最強の「ふくろう(15)」です。ディール中にいつでも「クク」と言うことで、ラウンドを終了させることができ、そのときに最も弱いカードを持っていた人が負けます。

山札との交換もおおよそ同様です。山札が「馬」と「家」の場合は次の山札との交換になりますし、「人」や「猫」の場合も交換拒否となり誰かを負けにさせます。山札が「フクロウ」の場合は山札が交換を申し込まれる直前に「クク」と言ったものとして交換拒否になります。「道化」だけ特殊で、山札から受け取った「道化」はフクロウよりも強い最強のカード(16)となります。

以上が1ディールです。ディールが終了したら親は右隣に移って次のディールになります。ちょっと特殊なルールですが、山札は最初にシャッフルしたらもう二度とシャッフルせず残りをそのまま継続して使います(山札が尽きたらリシャッフルします)。

席決めは山札から引いたカードが強い人から順に任意の空席を選んでください。ここでも山札から引いた道化は最強です。人数にも寄りますが最初に25チップずつ持って始めるのが良いでしょう。

Play

『Cucco (クク)』プレイについて

カウンティング

『カンビオ』においてカウンティングは重要だ。

ククカード40枚セットを用いてn人でプレイする場合、ラウンドあたりに消費するカードの枚数はおおよそn+1枚である。12人以下でプレイしているならば最初の3ラウンドにおいて、カードのリシャッフルはまず行われまい。9人プレイならば第4ラウンドまで、7人プレイならば第5ラウンドまで、リシャッフルは行われないだろう。

優先してカウンティングすべきものは道化や獅子などマイナスカード人間と猫だろう。できることなら馬と家も数えておくと良い。手持ちのチップを用いて密かにカウンティングするだけでかなり有利になる。

どのタイミングで「クク」と言うべきか?

自分の左隣のプレイヤーが「カンビオ(チェンジ)」と言う前に自分が「クク」と宣言するのは当然のことだ。そして、左2隣が「カンビオ」という前に自分が「クク」と言うかどうかは少し悩ましい。これは、左隣が馬または家を持っている可能性がどれだけあるかによる。

ククカード40枚セットの中に馬と家は合わせて4枚ある。ゲーム開始直後の第1ラウンドの最初において、左隣りが馬または家を持っている確率は約10%である。実際には、左2隣の手番になるまでにいくつか情報が増えるので(つまり既に馬と家がどれだけ使われたか推測が付くので)もう少し計算は複雑だ。

なぜ「どうぞ」が必要か?

例えば、最期の2人になったときを想定します。スタートプレイヤーが「道化」で、親プレイヤーが「フクロウ」だった場合に、親が自分の手札を確認しないうちに「カンビオ」を要求されることを防ぐためです。

失格者

カードをパイル(捨て札)にすることによって失格したことを表せばいいと思います。

「家」「猫」「馬」「人間」を交換

これらの札を持っているプレイヤーも「カンビオ」「ノンカンビオ」を宣言しなければなりません(大抵はノンカンビオでしょうが…)。しかし、非常に珍しいケースですが、完璧なるカウンティングにより「家」や「猫」などを交換すべきことがあります。

捨て札は公開それとも非公開?

カウンティングが重要であるとルールブックに明記されているので、捨て札は非公開であるものと考えるべきでしょう。しかし同時に、何が捨てられたかを数えることも推奨されているので、捨て札は表にして捨てるものと考えればよいと思います。

これは「人間」や「猫」によって失格にされたプレイヤーの札が、オープンになることを意味します。

親も「カンビオ」「ノンカンビオ」を明言すべき

親が山札と交換するときに、その捨て札をオープンにしようがしまいがゲーム的にまったく同じです。しかし、山札と交換するためにオープンにして捨て札にしたのか、それとも全員のカードを比べるためにオープンにしたのかを明確に区別するために、親は交換するか否かを明言すべきです。その後に、「オープン」と言って全員のカードを比べればいいと思います。

お前は既に死んでいる

猫の場合に「にゃお」と発言するように人間の場合に「ぶらごん」と発音してみてはいかがでしょうか?

「馬」か「家」か?

「人間」や「猫」の場合にカードを明確にするように、「馬」か「家」の場合もいずれのカードであるかを明確にすべきだと思います。

その他

グランペール版の背面は「白地に青」または「白地に薄茶」で、アークライト版の背面は「群青色」である。

ARAI Satoshi ( arai@luminet.jp )