第38話『修道院の夜』

辺境の修道院がアンデッドモンスターに襲われた。何とか怪物を撃退した修道院長デミグラスらは救援要請の手紙を旅人に託す。しかし手紙が届く前に、修道院は陥落してしまった。今や、修道院はアンデッドたちの隠れ家となっている。邪悪なるビュートたちは修道僧の振りをして獲物が来るのを待ち構えている!

導入部

依頼1

留守番2人「翼獅子の騎士が来た。あなたがたの話をしたら、司祭によろしくお伝えくださいとのことでした。彼はここから2マイルのところにある修道院にいったきり、戻ってこないのです!」。

依頼2

大司教から呼ばれたクレリックPCは「辺境の修道院にアンデッドが出現して難儀しているらしい。司祭デミグラスらの修道院だ。行ってくれるな?」と要請される。もちろん無料奉仕である。司祭デミグラスとは何度か会ったことがある。PCが思い出すと、痩せ型で髪の毛は青白い男の顔を思い出す。デミグラスは教会の孤児院で育ち、そのままクレリックとなった男だ。

修道院はルガロフ村から徒歩5日のところにある。

昼間はワンダリングモンスターは出現しない。街道上で野外キャンプをするならば通常の出現判定を行うこと。

プレイ報告

辺境の修道院へ

街道から1マイルほど小道を入った所に修道院はある。森の小動物の鳴き声は聞こえるがその姿はほとんど見かけない。天候は晴れ、風が少し強い。昼過ぎには修道院に到着することができる。

若い修道僧に「アンデッド退治に来た」と来訪の意図を告げると修道僧は「しばらく待つように」とPC達に丁寧に告げて奥へ入っていく。冒険者を強敵と見たビュートらは即興で作戦を立てることにした。やがて、小さな礼拝堂に通されたPCらは司祭デミグラスの姿が無いことに気がつく。実直そうな修道僧のいうことを要約すると「デミグラスは7日前にアンデッドモンスターとの戦いで亡くなった。死体は回収できなかった。家族には連絡を出した。ここには7人の修道僧が住んでいる。ただし、3人は外出しており明日の夕方に戻る」という意味のことを答えてくれる。

家族がいたのかと聞くと、話題を変えようとするか適切に誤魔化そうとする。修道僧はPCらに来訪の用件を改めて伺った後に「スケルトンのことはまた後で詳しく説明いたします。とりあえず荷物を降ろして一息いれて下さい」と修道院の客室をあてがってくれる。30分もすると修道僧の一人がPCらの部屋にやってくる。修道僧らが言うには「スケルトンがやってきた!。スケルトンをターンすることは出来るので実害は出ていないが、スケルトンを滅ぼすだけの戦闘力もない」ということらしい。

スケルトン戦

原材料は人間だけでなくさまざまなデミヒューマンの骨が使用されているようだ。音も立てずに向かって来る。様々な服装をしている。数えてみると…21体!。大群だ!。

Skelton; #NA=3d10; int=0; tt=Nil; al=TN;HD=1; ac=7; mv=12; #at=1; thac0=19; dmg=1d6(short sword);SA=Nil; sd=*** ; mr=*** ; sz=M(6') ; ml=*** ; xp=65 ;sleep,charm,hold,fear,冷気等に耐性。切る突く武器はダメージ半分。

模擬戦「対AC8期待dmg=1.83; 対ac4期待dmg=1.10; 対ac0期待dmg=0.37;」。

A:□□□□□□□□; B:□□□□□□□□; C:□□□□□□□□; D:□□□□□□□□; E:□□□□□□□□; F:□□□□□□□□; G:□□□□□□□□; H:□□□□□□□□; I:□□□□□□□□; J:□□□□□□□□; K:□□□□□□□□; L:□□□□□□□□; M:□□□□□□□□; N:□□□□□□□□; O:□□□□□□□□; P:□□□□□□□□; Q:□□□□□□□□; R:□□□□□□□□; S:□□□□□□□□; T:□□□□□□□□; U:□□□□□□□□;

このスケルトンのうちの数体は本来の住人たちのなれのはてである。PCらが調査する旨を宣言しなければ、このことを教える必要は無い。

PC達は、修道院に向かって来たスケルトンどもを退治した。修道僧らは大いに感謝しているようだ。念のために3〜4日ほど滞在して欲しいと頼まれる。君達は、夕食と宿泊を得ることができることになった。

ここでPCらが問答を行い、修道院から撤収することもできる。

夕暮れの修道院

夕刻、まもなく陽が暮れる頃。君達はあてがわれた部屋でくつろぎながら夕食の案内を待っていた。先ほど、修道僧が「たいしたものはありませんが、美味しいものを用意します」と言っていたので楽しみだ。窓の外を見ると数匹のコウモリが飛んでいるのが見える。

ふと、何か物音が聞こえる。すぐにPC達の宿泊する部屋の扉が叩かれた。開けてみると、修道僧たち(3人)が血相を変えて「礼拝堂に何者かが潜んでいるのです。昼間のスケルトンとは違うようですが…みなさん来ていただけませんか?」と言っている。鎧を着るだけの時間はなさそうだが、武器を持っていくことぐらいはできる。何を持っていきますか?。

君達は修道僧1人に案内されて奥の部屋へと案内されていきます。修道僧は「声を掛けてもまったく返事をしないのです。この奥です」と教えてくれる。

石で出来たアーチの奥は広間になっている。幅30、奥行き50、天井まで20ぐらいだろう。椅子などは部屋の脇に片付けられている。全体的に薄暗いが、奥のほうは薄く緑色に照らされているようだ。広間の奥はステージのように一段だけ高くなっている。ステージの両脇にはそれぞれ石造が鎮座している。石像(片方はガーゴイル(固有名称サンハトーヤ)だが動かない。両方とも目をつぶり動く様子は無い。ステージの中央には緑色のローブをまとったヒューマノイドが一人立っている。そのヒューマノイドは、大きさがグレープフルーツほどの緑色の光の球を右手に乗せて、うつむきながら何か考えているようだ。毒々しい緑の光がヒューマノイドの顔を照らし、とても不気味に見える。苦悶の表情をしているが口元は不気味に笑っているようだ。

君達は修道僧にここで待機してもらうように告げて、薄暗い広間に入っていった。

そのヒューマノイドは君達のほうを見上げた。その顔はエルフのそれのように見える。おぞましげな笑いが広間に響く。恐怖で、君達の背中に冷や汗が流れる。対呪文STを行ってください。失敗したら命中とダメージに3のペナルティです。しかし最低でも1ダメージは与えることができます。

DM「不死生物に関する知識などの技能があれば申告して下さい。技能ルールを採用していない場合は、4ペナルティでインテリジェンスチェックを行ってください」。

(技能チェックに失敗)このヒューマノイドはウィードのようだ。(技能チェックに成功)このヒューマノイドはグレーターウィードのようだ。空を飛ぶやっかいな奴だ。(いずれにせよ)ウィードはエルフの死体に悪霊が住みついた怪物だと言われている。持っている球は生命体をパラライスさせる!。(技能を誰も持っていない)このヒューマノイドはアンデッドモンスターのようだ。

グレーターウィードを見た者は、対呪文STを行わなければならない。STに失敗すると、恐怖による寒さの為に命中とダメージに3のペナルティを受ける。このペナルティは、グレーターウィードが倒されるか、翌朝になるか、"Remove Curse"(Lv9+)が掛けられるまで継続する。グレーターウィードは緑色の球で攻撃する。投擲の場合の距離修正は(30'/60'/90')である。緑の球に命中した者は1d10のダメージを受け、パラライスSTに失敗すると2d4ターンのあいだパラライスする。但し、エルフはパラライスすることは無いが、追加5ダメージが加算される。グレーターウィードは毎ラウンド両手に1個づつの緑の球を生成することができる。クレリックなどは、グレーターウィードをゴーストの欄でターニングアンデッドすることができる。

Wyrd,Greater ; #NA=1d2 ; int=8to10 ; tt=B ; al=CE ; HD=8; ac=0; mv=12(Fl=24); #at=2(sphere) ; thac0=13 ; dmg=1d10/1d10 ; SA= paralysis, chill ; sd=*** ; mr=0% ; sz=M(6') ; ml=20 ; xp=5000 ; 銀又は+1以上。毒と眠りと魅了とホールドに耐性。出典 = (adnd 2nd) monstrous compendium appendix Mystara;

グレーターウィード「緑色の球を投擲しPC(呪文使い優先)を麻痺させる」。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□

毎ラウンド20%の確率で夕暮れ時刻になる(最大で4ラウンド)。

修道僧たち(AとB)がポリモーフされたかのように姿を変えていく。まるでライカンスロープの変身のようだ。皮膚に鱗が浮かび上がり、髪の毛は赤く逆立つ。爪や歯はグールのそれのように伸びて鋭い!。

DM「不死生物に関する知識や民話などの技能があれば申告して下さい。技能ルールを採用していない場合は、4のペナルティでのインテリジェンスチェックで代用」。

(成功)「修道僧らはビュート(アクセントは bah-HOOTS )に違いない。ブレスされた武器があれば一撃で仕留めるれる」。(失敗)「こいつらはアンデッドらしい!」。

ビュートは音を立てずに歩く。ターンさせることができない。"ノウアラインメント"でLawafulGoodと誤認される。10レベルファイターとしてSTを行う。ビュートに噛み付かれた者は対麻痺STを行わなければならない。STに失敗した者は1d4ラウンドの間、自動的にイニシアチブを失い、更に命中判定に2のペナルティを受ける。"ブレス"された武器による命中は一撃でビュートを葬ることができる。このエンカウンターで登場したビュートは変身をある程度コントロールできるものとした。ビュートの本来の経験値に300を加算してある。

Bhut ; #NA=2d4 ; int=11to12 ; tt=M(D) ; al=LE ; HD=7+2; ac=4; mv=12 ; #at=爪/爪/噛 ; thac0=13 ; dmg=1d4/1d4/1d6 ; SA= numbing bite ; sd=*** ; mr=0% ; sz=M(6') ; ml=13 ; xp=1400+300 ; 毒と眠りと魅了とホールドに耐性。出典 = (adnd 2nd) monstrous compendium appendix Mystara;

ビュートA「ビュート本来の姿に変身(要1round)して、退路を断つ」。(hp33)□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□; ビュートB「本来の姿に変身(要1round)、次のラウンドからPCを攻撃」(hp33)□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□;ビュートD…「PC達の部屋に入り、強襲。部屋に鍵を掛けて荷物を漁る」(hp27)□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□

ビュートC(hp26)…「修道院の中に隠れている。ABDが負けたら逃走」。

ビュートAは鍵束を持っている。確か修道僧は4人いたはずだが…。しかし、修道院内部を捜索しても残りの二人の姿は見えなかった。そして、隠し扉の中に宝箱を発見した。

修道院の宝箱(Value=2287gp)

古びた宝箱(hp=24)。鍵は掛けられている(キーはビュートAが持っている)。

袋に詰められた銅貨700枚。袋に詰められた銀貨600枚. 袋に詰められた金貨800枚. 紫水晶のブローチ(500gp). 絹飾りのついた黄金のティアラ(850gp). 純銀のランプ(70gp).Scroll(P) of Know Alingment+Remove Paralysis.Scroll(P) of Create food and water.Scroll(W) of Jump+Erase+ChangeSelf+Knock.高級な羊皮紙のScroll(W) of Haste+Disintegrate。

宝箱(修道院の所有物だったのかも知れない!)の発見と同時に、新しい白骨数体が見つかった。装飾品やホーリーシンボルを調べると、このうちの一人はデミグラスのものだと分かる。

DMのコメント

(XP=戦650+戦5000+戦1700x3+財2287)。おつかれさま。

Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )