季節は秋、貧しい村。少しだけ贅沢しようとした村長は小さな罪を犯した。刑罰を恐れた村長は露見を防ぐ為に心を痛めながらも更に罪を重ねている。一方、男爵の騎士は夏のある事件を調査しにこの村にやって来た。騎士は身分を隠しての調査の末に、村長が犯人でないかと疑うに至る。
ＰＣ達は村長の企みに乗せられて、ある依頼を受けることになった。騎士はＰＣ達を村長の味方だと警戒しつつも、村長に関する情報を集めるためにＰＣ達に接触してくる。
ストーリーの展開としては、ＰＣらが村長の企みに気がついていくこと、騎士が夏の事件の真相に気がついていくこと、この２つが同時に進んでいきます。
ＰＣ達が村長の企みに気がついて村長に詰めると、村長は悪いことだとは分かっているが自分たちが生きていくためにはやむを得ないことだと抗弁する。そしてもし真相が明らかになったならば自分たちは確実に死罪となるだろう、と主張する。村長の娘も見逃して欲しいとＰＣに嘆願する。
ＰＣが騎士に協力的だったならばすぐに、さもなければ、やがて騎士は証拠をつかみ村長宅にやってくる。証拠と条文を述べ村長の一族は死刑に値する旨を述べ、刑の即時執行を行おうとする。
三十年ほど前に帝国より移住してきたカラメイコス３世、つまり現在の公爵は、この地に大公国を設立した。公爵の従兄弟であるヘンドリックスも同時に帝国より移住し、称号と共にハラグの地に領地を与えられた。だがハラグの地には多くの怪物が生息している。領地を豊かにするためには怪物を退治しなければならない。領地と領民を防衛する為に男爵は黒鷲騎士団を編成した。
だが、トララダラ民の多くは男爵を征服者だとみなしていたので、素直に従う者は少なかった。領内の多くの村落が男爵に反抗した。領地の経営は悪化の一途をたどっていた。男爵はやむをえず、その武力をもって領民が隠し持っていた財宝を調べ上げた。驚くべきことにその財宝は莫大な量になった。やがて男爵領の経営はなんとか好転した。
…ある年の春、男爵のもとにバーグルという魔法使いがやってきた。魔法使いは男爵に取り入り自分の地位を築き上げた。魔法使いが献上した竜の像を手にして以来、男爵は変わっていった。まるでバーグルに操られているかのように。奴隷密売組織や海賊船団を創設し、あらゆる狂気がハラグの町に覆い渡った。男爵の騎士たちはその像を密かに破壊しようと試みたのだが全て徒労に終わってしまった。
現在では、カラメイコス大公国の西部に位置するこの男爵領はブラックイーグル男爵領と呼ばれている。男爵の政治は必ずしもトララダラの民にとって、幸せなものではない。
このシナリオは男爵領辺境に位置するペスカトーレ村及びその周辺を舞台とする。村長カンパリは長年のあいだ上納すべき税をごまかし私腹を肥やしてきた。傭兵ベネデッドを雇い、怪物の襲撃に見せかけて収税官ピアッザンを殺害した。村長は「男爵の命令」ということで村人たちから再び金を集めて税金を支払った。
黒騎士トリスらは行方不明になった収税官について調査する為に、密かにこの村にやってきている。一方、強欲なる村長カンパリはコルヴォの塔に隠されていると噂される財宝を奪う計画や、家族と共に男爵領から逃れる計画を立てていた。
ジアティス帝国歴1000年の初秋。
首都スペキュラルムから、ルルンの町を経由し、ブラックイーグル男爵領の辺境のペスカトーレ村まで商人ルッコラを護衛する任務を受けたＰＣ達。男爵領内には多くの怪物が生息していると噂されていたが、幸いにも怪物との遭遇もなく、ペスカトーレ村まで商人を送り届けることができた。ルッコラの話では、この村には千人弱の人間＆亜人間が住んでいるとのこと。村の雰囲気は、初秋の風が少し肌寒いせいか、なんとなく物寂しい。ＰＣ達はそれぞれ金貨30枚の報酬を得て、その夜はブラッドオレンジ亭に宿泊することにした。
ブラッドオレンジ亭は木造平屋建の宿屋である。ＰＣ達はそれぞれ狭い個室が割り当てられた。藁葺きのベッドと小さなテーブルと粗末な椅子がそれぞれの部屋に備え付けられている。扉と窓には鍵を掛けることができるようになっている。床は木でできており、歩くと少し軋む。
深夜まで営業しているバーで夕食を採ることができる。バーは村の雰囲気に反して賑やかで多くの客の姿が見える。村人や宿泊客だけでないようだ。見ただけで流れ者と分かる６人組は下品に大きな笑い声を立ててエールを飲み交わしている。バーテンと何か話していた女性は銀貨をそっとバーテンに手渡すと、奥のテーブルで周囲の様子を伺っている２人の男のところへ戻っていった。その３人組は良い身なりをしており、周囲のようすを伺っている。仕事帰りらしいハーフリングの集団(４人)は、バーの低いざわめき声をＢＧＭに、夕食を楽しんでいる。夕食のメニューの味はそれほど満足できるものではないが、量は十分にある。白桃豆の入ったオートミールは少し塩が効きすぎているようだ。薬草のソテーは匂いが強い。
やがて、裕福そうな身なりの中年男が２人の付き人を連れてＰＣ達のテーブルにやってきた。その中年男は、ＰＣ達だけでなく流れ者たちの集団にもエールを出すようにバーテンに告げた後、ＰＣ達に話し掛けて来た。中年男の話を要約すると「私はこの村の村長のカンパリである。商人からＰＣ達のことを聞いてやってきた。仕事を頼みたいとやってきた。この村は秋の税金として金貨一万枚を要求されているのです。しかし、この村にはそんな財産はありません。そこで、村から奪われたミスリルの像をコルヴォの塔から取り戻してきてもらいたい。ミスリル像を売れば少なくとも金貨五千枚にはなるだろう。そうすれば、その暴力的な税金を納めることができる。詳細は明日(10月３日)、村長の家で話したい」ということだ。村長は自分の家の場所をＰＣ達に告げ、くれぐれも頼みを聞いて欲しいことを繰り返し、付き人たちと共にバーを後にした。
流れ者たちは村長に奢られたエールを豪快に飲み干している。
部屋に戻るＰＣ達に、奥のテーブルで見た３人組の紅一点が話し掛けて来た。その20代の女性は顔立ちからしてジアティス人だとひと目でわかる。「差し支えなければ、村長からどんな話を聞いたのか教えてもらえるかしら？、それなりにお礼は弾むつもりよ」。
トリスと名乗った20代の女性は、薄茶色のマンとの下に、燻したような色合いの黒い胴当て(クイラス)を着込んでいる。クイラスには目を閉じたキメラの三つの首が大きく彫刻されている。腰にはロングソードを装備している。
トリス「あなたたちが悪人でないのは分かるわ。わたしたちは、しばらくこの宿にいるわ。もし何か話してもらえることがあれば、いつでも声を掛けてね」。
トリス「私はトリス。この夏、この村に来た収税官が行方不明になった話をご存知かしら？。その人は私の従兄弟で名前はピアッザンというの。ピアッザンは部下と共に夏の税金2350ロイヤルを徴収した後に行方不明」。
村長の館につくと若い娘さんが応対してくれた。少しふっくらしたかんじの娘である。髪は巻毛で少し赤い。20歳ぐらいだろう。奥からでてきた村長は「おお私のかわいい娘ペッシェ、パパはお前をいつまでも愛してるよ」と娘に声をかけ、ＰＣ達を応接間に通した。応接間にはＰＣ達と村長カンパリだけがいる。
夏に収税した役人たちオークに襲われた。おかげで税を再び収めなければならなくなった。村の財政は逼迫している。先祖からの財産もだんだんと減ってしまっている。
(偽の)納税書を見せてくれます「ペスカトーレ。10000ＧＰ」。このように、莫大な税額を要求されているのです。この村を救うためにはどうしてもミスリル像を取り戻したいのです。ああ、そうでした。その話はまだしてませんでしたね。昨年秋に娘のペッシェが邪悪な魔法使いに人質にとられました。身代金としてミスリルの像を差し出して取り戻すことができたのです。邪悪な魔法使いはここから５マイルにある塔に住んでいるのですが、先月に魔法事故で死んだそうです。人を雇ってミスリルの像を探させたのですが、塔には魔物が住んでいて、手が出せないらしいのです。そこで、剣や魔法に秀でた皆様にお願いしようと思いましたのです。
ミスリル像を取り戻していただけたならば、ルルンの町でそれを成功報酬に。
コルヴォの塔までの地理を教えてもらった。コルヴォの塔までは５マイルほどあるらしい。平地の小道を２マイルほど進み、三叉路を右に進み、沼地を迂回して林に入り更に２マイルほど進めばコルヴォの塔が見えてくるそうだ。
エンカウンターの間にダミーのチェックを入れること。
なんだかんだで出発は朝になった。すずしい風がここちよい朝だ。改めて呪文を記憶しなおして出発する。村長カンパリが村の入り口まで見送ってくれる。近くの農園へ通う農夫たちの姿も見える。
村から200ヤードほど離れたところで、農夫に声を掛けられた（トララダラ語）。
農夫「だんなさまがたは、村長んとこの雇われさんたちでねけ？。実はうちのかみさんたちが噂すっとるね。夏のように怪物が税金をもっていってしまって、わたしたち、また税金を村長んとこに収めなきゃならんとよ。秋にもそうなったら、わたしたち冬が越せないさな。だから、人をやとって怪物から守ると、聞いたんだがや」。
ペスカトーレ村を後にして小道を進むＰＣたち。秋の風が吹く。髪の毛が風に揺れる。２マイルほど進むと道が左右に分かれている。案内板は見当たらない。道の左脇に石が積まれている。君達はどちらに進むかい？。
沼地の脇にそって進む。先頭を歩くキャラが突然、宙に放り出された。ロープに足を取られて逆さ釣りになっている。キャラクターが持っていた荷物が地面に散らばっている。割れやすい物のいくつかはダメージを受けたようだ。
生い茂った草むらがざわめくと、その中から数体のヒューマノイド(オーク)があらわれた。彼らはレザーアーマーと金属製の武器を身につけている。鼻を鳴らしてオーク語で会話しているようだ。
もしＰＣ達が戦闘態勢に入ったならば。「へぃ、ジョージ。どうしたらいいかい？」。「いい質問だね。ここは逃げよう。ボスに報告するんだ！」。「ナイスだね」。
オークたちは一目散に逃げ出していった(そして仲間に通報する)。追撃することもできるし、このままここにとどまることもできる。
荷物を拾い集めると、何かきらりと光るものに気がついた。錆びかけた鍵(ダミーの鍵です。シナリオには関係無い)である。
林の中を進む。コルヴォの塔らしき建物はまだ見えない。開けた場所に出たＰＣ達は小川のほとりに出た。君達は、少し休むことにした。周囲の木には実がなっている。赤く熟しておりとても美味しそうだ。地面には、さまざまな雑草が混生している。この季節に咲く花が点在している。
ＤＭ「植物関連のスキルを持ったキャラクターはおりますか？」。もしいれば、実のうちのいくつかが魔法の「グッドベリー」であることが分かる。１ターンほど探せば７個を得ることができる(1d4回復)。食べれば「甘酸っぱい味はいちじくに似ている」。
森の中から半人半馬の生物が出てきた。その背中には緑のトンガリ帽子をかぶった身長３フィートほどの妖精の男の子が座っている。ケンタウロスは、怪訝そうにＰＣ達を見まわしてから、馬がいななくような声で話し掛けてくる。トララダラ語のようだ(ＰＣらが分からなければ他の言語を使う)。ケンタウロスは「この森にどのような用があるのだ？」とＰＣ達(もしいればグラハム)に聞いてくる。
(もし聞けば)ケンタウロス「コルヴォの塔はここから北に１マイルのところにある。しかし、コルヴォロッソは塔にはいない。弟のコルヴォビアンコが棲んでいる」。
別れ際にケンタウロスは「このあたりには狩猟のための罠が仕掛けられている。森を通るのは買ってだが、罠は壊さないように気をつけてくれ」と忠告してくれる。
塔の赤い屋根が樹木のすきまから見えてきた。あと300ヤードぐらいだろう。
ＤＭ「先頭を歩くキャラはトラップ関連のスキルを持っていますか？」。
先頭を歩くキャラは、自分の視界が一瞬のうちに真っ暗になったことに気がつく。どうやら自分の身長ほどもある落とし穴にはまったらしい。足が痛い。もし金属製の鎧を着ていたならば1d6ダメージ。さもなければ1d3ダメージを受けたようだ。体中が、土まみれになっている。
石造りの４階建ての塔がすぐ目の前に見える。塔の広さは直系30フィートぐらいだろう。それぞれのフロアに大きな窓がついているが、いずれも鎧戸が閉じている。
周囲を見渡すと、塔の脇に小さな小屋が見える。小屋は木造で20フィート四方の小さいものである。君達がいる場所から、砂利道が塔の玄関に続いている。塔の玄関の前は広い石畳だ。
入り口の扉は壁同様の板でできている。取っ手の傍の金具に錠が下りている。錠は閉じられている。最近つけられたと思われる足跡が外へ続いている。追跡関連のスキルがあればもっと詳しいことがわかるだろう。窓は閉じられている。小屋の裏側には馬置き場があるが馬は繋がれていない。
内部にはベッドと本棚などがある。壁にホースマンメイスが掛かっている。塔の入り口の鍵がある。
丈夫な扉には扉には蔦の文様と「コルヴォロッソの研究部屋」とが描かれている。
ノッカーの下のプレートには十数文字のルーンが刻まれている（「知恵は道を開く」と書かれている）。ノブのそばに鍵穴が見える。鍵は掛かっているようだ(鍵は小屋にある)。
ノッカーを叩いても誰も出てこない。このドアには罠は仕掛けられていない。屋上には皮膚が石でできている怪物が侵入者から塔を守っている。このがーディアンは、地上にいる侵入者は無視し、このは翼を広げて降下して、壁を登る侵入者たちを攻撃する。
ガーゴイル「(固有名)たれぱんでぃ」。(MV=15(Fl,C);HD=4;hp=20,AC=5,#AT=4,SF=3,THAC0=16,Dmg=1d3/1d3/1d6/1d4)。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。「つめ！つめ！かむ！へっどばっど！」
君達はドアを開き中に入った。
××××壁壁壁壁×××× ×××壁×階段×壁××× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□鎧□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ××壁□□□□□□壁×× ×××壁壁□□壁壁××× ××××壁扉扉壁××××
床は石造りのタイルが敷き詰められている。厚くほこりが積もっている。部屋はおよそ直径25フィートぐらいの円形である。奥のほうから声が聞こえてくる。「招かれざる客よ。正しい言葉を告げぬならば、その生命の灯火は消え行くことであろう」と。部屋の奥にあるプレートメールが歩いてくる。鎧の腹の部分には人の首が彫刻されている。鎧の向こう側には丈夫そうな扉が閉じられている。床にはほこりが積もっているが、足跡は見当たらない。部屋の右手側に大きなテーブルといくつかの椅子が置いてある。
ゾンビー with「 Plate, Tongue(無限) 」(hp=10,AC=3,#AT=1,SF=lost,THAC0=20,Dmg=1d4)。□□□□□□□□□□。中にはゾンビーが入っている。
戦闘後、部屋は非常にほこりっぽくなった。息が少し苦しい。鎧の中にはゾンビーが入っていた。プレートメールの胴の部分とヘルメットは非常にきれいである。
ＰＣ達が袋に入れて持ちかえろうとすると、袋を食い破りＰＣに噛みついて1d2ダメージを与え「おい、お前。俺を袋の中にいれるとは失礼な奴だな！」と言う。この鎧はアライメントが「Ａｎｙカオティック」である。余計なことに勝手にしゃべることがある。
ドアは丈夫な木製であり金属フレームで補強されている。厚さは十分にあり破るのは難しいだろう。引き手は青銅製のようだ。
(トラップ１)ドアを引くと同時に床が開く。ピットは四角錐を逆さにしたような形状である。20フィート落下した底から鋭利なスピアがセットされており、２ｄ６ダメージになる。スピアヘッドは不潔なものであり、夜中に「ピットでの傷がじんじんと痛み出した。やがてそれは我慢の出来ないほどの痛さとなっていく。重度疲労」となる。
××××壁壁壁壁×××× ×××壁×階段×壁××× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□机机□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×××壁×階段×壁××× ××××壁扉扉壁××××
部屋は階かと同様のデザインだ。床には男が倒れていて動いていない。向かいのドアは開いている。その中にはヒューマノイドの姿が見える。そのヒューマノイドは手に何かを持ち大げさな身振りで何かを詠唱している。すぐに赤い小さな火の玉が君達の方に飛んでくる。「５レベルのファイヤーボール(の幻)」だ！。
干からびた死体が床に転がっている。死体は丈夫な革鎧を着込んでいる。死体が左手にはめている金属製の指輪には緑蛇がデザインされており、黄金製のネックレスには何かの獣人の顔(クレティアの顔)が施されている。テーブルの上には宝箱が口を開いている。中には財宝が姿をのぞかせている。金銀銅と貨幣がほぼ均等に混ぜられている。数百枚はあるだろう。
このネックレスは呪われた「ストラングルネックレス(出典DMG)」である。犠牲者は毎ラウンド６ダメージを受ける。
両開きの扉は黒樫の堅い木材から作られている。
ドアは開いている。押すときしむ。
××××壁壁壁壁×××× ×××壁×階段×壁××× ×壁壁壁扉扉壁壁壁××× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×××壁×階段×壁××× ××××壁扉扉壁××××
この部屋は暗い。
水滴がたれている。向い側には扉が見える。その両開きの扉は黒樫の堅い木材から作られている。このフロアにも周囲に窓があるがどれも鎧戸がしまっている。
床の上にはもぞもぞと動くものがいる。毒蜘蛛だ。
扉を開けようと取っ手に手を掛けて力を入れると、手に痛みを感じる。取っ手の上側から緑色の粘性物質(グリーンスライム)が染み出してきている！。液体は手をゆっくりと侵食している。
××××壁壁壁壁×××× ×××壁×階段×壁××× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ×壁□□□□□□□□壁× ××壁壁壁扉扉壁壁壁×× ×××壁×階段×壁××× ××××壁扉扉壁××××
祭壇の台座の上に獣人の像があぐらをかいて両手を前方に伸ばし、手のひらを上に向けている。台座の石版には「剣の手にガーネット、盾の手にジャスパー」と書かれている。獣人の胸の前にミスリルでできた小さな像が浮かんでいる。像は確かに貴重なもののようだ。売却すれば10000ＧＰになるかもしれない！。
(もし持っているならば）ネックレスにも同じ模様が施されている。
コルヴォビアンコが待っている。ビアンコは小屋を荒らしていなければ友好的に応対してくれる。
「クレティアの像は村長たちが持っていたものです。あの像は村に災いをもたらします。そこで兄はカンパリの娘ペッシェと図り、その像を奪い封印したのです」。
罠に注意しながら進んでいたせいか、それに気がつくのが少し遅れてしまった。
生い茂った草むらがざわめくと、その中から数体のヒューマノイド(オーク)があらわれた。彼らはレザーアーマーと金属製の武器を身につけている。鼻を鳴らしてオーク語で会話しているようだ。
ジョージ「夏だって？、人間同士が剣で切りつけあったのは見たぜ。頭のいい俺は猟師(漁夫？)の利ってやつで勝負がついた頃に襲いかかったんだが、返り討ちにあってしまった。くそ、あの東の村の酋長(カンパリ)たちに弟が殺された！」。
林の中を進む。開けた場所に出たＰＣ達は小川のほとりに出た。周囲の木には実がなっている。赤く熟しておりとても美味しそうだ。地面には、さまざまな雑草が混生している。この季節に咲く花が点在している。
実のうちのいくつかが魔法の「グッドベリー」である。１ターンほど探せば７個を得ることができる(1d4回復)。食べれば「甘酸っぱい味はいちじくに似ている」。
帰路の場合は「注意しながら進む」という宣言がなされていれば回避できます。
沼地の脇にそって進む。先頭を歩くキャラが突然、宙に放り出された。ロープに足を取られて逆さ釣りになっている。キャラクターが持っていた荷物が地面に散らばっている。割れやすい物のいくつかはダメージを受けたようだ。
ＤＭ「帝国歴1000年の秋。ブラックイーグル男爵領の辺境に位置するペスカトーレ村。人口およそ千人のこの村には重い税金が課せられている。夏にこの村を訪れた収税官ピアッザンは金貨と共に行方不明。それを調査する謎の女性トリス。一方、秋の税金を納めなければならない村長カンパリは、村から奪われたミスリル像を取り戻して欲しいと、村を訪れていたＰＣ達に依頼した。コルヴォの塔でミスリルの像を得たＰＣ達はペスカトーレ村に戻ってきたが、塔の住人に最後に言われた言葉が気に掛かる。
「ミスリル像をカンパリに渡してはならない」
村長は家の前で応対してくれます。邸内には家族と使用人たちがいます。
トリス達と共に十分な証拠を用意してあればエンディング『年貢の納め時』へと続きます。ＰＣ達だけで十分な証拠と共に村長を詰問すれば、エンディング『カンパリの財宝』になります。もし証拠が不充分ならば村長は絶妙なる演技で「誤解」を解こうと努力しますが、その日の夜間に「ファイヤーボール」１発がＰＣ達の部屋にランダムに撃ち込まれます(翌日も！)。もし村長にミスリル像を渡したならば『黒騎士たちの死刑執行』に移行します。
夏の収税…手がかり「オークの証言」、証拠「傭兵たちの自白」。
秋の税金…娘の証言「偽造です」。忍びこんで書類「秋はいくら」。
粉ひき屋、織り師、くぎ造り、靴直し、かわはぎ職人、こじき、洗濯女、ろうそく屋。
「夏には２回も課税された！、オークどもをぶちのめして欲しい」。
「恐ろしい魔法使いバーグルに歯向かえない。魔法使いは魔法で山を吹き飛ばすって話だよ。あんたたちが何をするのも勝手だけど、あたしらまで巻き込まないでくれ」。
「村長は自分の私財で私達を助けてくれる。ありがたいことだ」。
「よそ者はおとなしくしてたほうがいいんじゃないかい？」。
「カンパリさんも傭兵かい？、夏に」。
老戦士エルクがいます。トリスはすぐに戻ってくるそうです。
コブラの姿は見当たりません。
エルク「わしの友人の娘だが、なかなかじゃじゃうまでな」。
酔っ払い「くっく、村長の奥様は今度はずいぶんと若い男を連れこんだものだ。どうだいさかりのついた奥様の味は？」。
子供「バーテンのおじさんは何でも知っているんだよ！」。
トリスが歩いています。情報を集めているようです。
トリス「この夏、この村に来た収税官が行方不明になった話をご存知かしら？。名前はピアッザンというの。ピアッザンは部下と共に夏の税金2350ロイヤルを徴収した後に行方不明」。トリスはＰＣ達が信用できると判断しない限り、自分たちの正体も目的も明かしません。
(50%の確率で)流れ者たちがいます。仲間の一人ベネデッドが行方不明になっている話をしています。締め上げれば夏の事件を白状します。
ＰＣが適切な質問と１ｓｐ以上を提供したならば、バーテンは小声で「村外れの水車小屋にそれらしき人がいるらしいですよ」又は「カンパリ村長の奥様はしばしば男と密会しているなんて噂がありますね」と教えてくれる。
巨漢コブラが傭兵ベネデッドを柱に縛り付けて見張っています。コブラはＰＣ達が信用できると判断しない限り、自分たちの正体も目的も明かしません。ベネデッドと会話したい旨を伝えても、口封じをふせぐ為に拒否します。「口封じさせるわけにはいかないからな？」。「なぜ、お前達に教えなければならない？」。
巨漢コブラ。両手剣(MS,両手持ちSP,ストレングス18/20)。(AL=LN,F7,hp=50,AC=10,#AT=2,SF=7,THAC0=10,Dmg=1d10+6)。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。「我が剣の腕前はマスタークラス。その技を見せ付けてくれる！」。「取り戻しに来たのか？、始末しにきたのか？！」。
hoの半分を失うと逃走します。
シナリオの展開とＰＣの採った行動によってエンディングが変化します。
ＰＣ達がトリスに重要な情報を提供した場合。
ＰＣ達の用件と素性を確認した後に彼女は、収税官ピアッザン殺害の真犯人ベネデッドが、村長カンパリに雇われてたという自白を得たばかりであること、ベネデッドは既に捕らえておりコブラが見張っていること、これから村長の家に行く予定であること、などを教えてくれます。ＰＣ達が有用な情報を示したならば、証言の為に一緒にきてもらいたいと告げる。老戦士エルクはコブラたちを連れて後から村長宅へ行くと告げてどこかへ行ってしまった。
カンパリ邸の前。村長カンパリは家族に対して屋内に入っているように諭した。
トリスが前に進み出てきて「ペスカトーレ村の村長カンパリ。あなたは傭兵を雇い収税官ピアッザンを密かに殺害しましたね。すでに犯人が自白しましたよ。また、男爵様の税率を遥かに超えた額を村人から取立て、その差額を長年に渡り着服してきましたね。私はカラメイコスの法律と男爵様の名において正式にこの屋敷を検めさせて頂きます」と落ち着いた声で告げます。カンパリはふてぶてしく「その犯人とやらはどこにいるのです。もしいるならばここに連れてきて欲しいですね」と告げると、トリスは「もうすぐここに来る」と感情を込めずに答えた。
突然、路地や屋敷の中から革鎧と武器を装備した流れ者たちがトリス達を囲む。その数は十人ぐらいだ。ＰＣ達が周囲に対応すると同時に、村長カンパリが「くらえ、必殺魔法！」と叫んで指輪から「ファイヤーボール(5d6)」をＰＣ達の中心に放ちます。「お前達にはたくさんのカネもモノも払ってあるんだ。死に損ないを始末しろ」と大声で叫びます。
トリス(事故調査官)。平服、ロングソード(SP)。(AL=LN,F7,AC=10; hp=40; #at=2; sf=5; thac0=12; dmg=1d8+2)。「父の威光だけでこの地位を得たわけじゃありません！」。「村長カンパリ！。言葉通り年貢の納め時です！」。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□
流れ者(10人)。革鎧、ソード。(AL=NE,F1,AC=８;hp=10; #at=1; sf=5;THAC0=20;Dmg=1d8;ML=10)。「(ｈｐの半分以上を失うとモラルチェック)」。「村長カンパリが行動不能になると逃走」。
□□□□□ □□□□□：ＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：ＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：ＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：ＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：ＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：トリスへ向かう
□□□□□ □□□□□：強そうなＰＣへ向かう
□□□□□ □□□□□：カンパリの前で護衛
□□□□□ □□□□□：カンパリの前で護衛
カンパリ(村長)。平服、防御に専念。(AL=CE,M２,AC=8; hp=8; #at=1; sf=---; thac0=20; dmg=---)。「(トリスを指差して)その女を仕留めた者には特別ボーナスだ！」。□□□□□ □□□□□ □□□□□
戦闘終了後。エルクとコブラが男を連行してやってきた。そして村長カンパリの屋敷を捜索すると、地下室から数万ロイヤルにも及ぶであろう財宝が発見された。トリスは即時裁判を開廷しブラックイーグル男爵の名においてカンパリの一族郎党に死罪を宣告した。刑は即日執行されることになった。
カンパリが蓄えていた財宝は男爵領に没収されることになったが、その一部は村人たちに還元されることになるそうだ。近いうちに新しい村長がこの村にやってくるだろう。
もしＰＣ達が家族の助命を願っても聞き入られることはない。カンパリの妻がＰＣらに対してひそかに、隠し財宝のありか(出鱈目です)を提供する代わりに子供たちを脱走させる提案をする。
トリス達とは別に、村長カンパリを詰問する場合には、『年貢の納め時１』と同様の展開になる。戦闘終了後、村長の家族が「財宝を差し上げますので命だけは助けて下さい」と懇願する。
財宝はカンパリ屋敷の隠し扉の中にあり、銅貨５000枚、銀貨５000枚、金貨８000枚、宝石20個(各500GP)、緑蛇の宝冠(2000GP)、香辛料１ポンド(280GP)、装飾されたカップセット(430GP)、黄金の砂(1000GP)、毛皮(800GP)、黄金の絹糸(150GP)、純銀でできた宝石箱(100GP)、グラントリの織物(200GP)、食器セットのコレクション(3000GP)など。
もちろん財宝をくすねることもできる。いずれにせよトリス達に報告すれば、彼女らはＰＣ達に丁寧にお礼を言い。立場上、謝礼金を支払うことはできないことを詫び、自分の正体を告げる。
トリス達に報告することなく村を後にすれば『黒騎士たちの死刑執行』同様に、トリス達がＰＣ達を待ち構えている。トリスたちは自分たちの調査内容をＰＣに告げ、ＰＣ達に「財産没収とフォートドームで１年間の強制労働の刑。抵抗するならばこの場で死刑」と冷酷に告げます。
愚かにもＰＣらが村長の野望に気がつかない状態で、ペスカトーレ村を出発する場合にエキストラステージ(バッドエンディング直行便)に入ります。シナリオ的には、村長の野望の躍らされた愚かなＰＣへのペナルティとしてかなりきつい戦闘を用意しました。村長はルルンの町までの護衛をＰＣらに依頼します。一人当たり50ロイヤルを支払う用意があると告げます。村長は密封された木箱をルルンの町まで運ぶつもりのようです。
もしミスリル像を得ているならば、村長はそれをルルンで売り払うつもりです。
町からでるとすぐに、黒い鎧をまとった三人組が待ち伏せています。トリスとコブラとエルクです。トリスが前に進み出てきて「ペスカトーレ村の村長カンパリ。あなたは傭兵ベネデッドを雇い収税官ピアッザンを密かに殺害しましたね。すでにベネデッドが自白しましたよ。また、男爵様の税率を遥かに超えた額を村人から取立て、その差額を長年に渡り着服してきましたね。今朝、あなたは使用人たちに暇を出し、家族と財産と秋に収めるべき税金２３５０ロイヤルを持ち逃げするつもりなのですね。私はカラメイコスの法律と男爵様の名において正式に貴方たち全員の荷物を検めさせて頂きます」と落ち着いた声で告げます。
村長カンパリの家族は後ろに下がります。
もしＰＣ達がペスカトーレ村においてトリスたちに話をしに行かなかった場合には、彼女らはＰＣ達を村長の一味だとみなしております。ＰＣ達が「自分たちは知らなかったんだ」と弁解しても、トリス達は信じません（…まぁ当たり前だな）。トリスは「もし有罪が確定する証拠が見つかれば、１００ロイヤルを超える財産(マジックアイテムを含む)を全て没収させて頂きます。護衛の方々も同様です。もし拒否なさる場合は、反逆者とみなしこの場で処罰致します」と事務的に告げます。
村長カンパリが「お前達にはたくさんのカネもモノも払ってあるんだ。この３人組を退治してくれ。そうだ、追加のカネも十分に出そう！」と提案します。
護衛たち(６人)。レザーアーマー、ロングソード(SP)。(AL=LN,F１,AC=８; hp=８; #at=１; sf=5; thac0=20; dmg=1d8)。「おらおら、その鎧は俺が頂くぜ！」。
黒騎士たちも武器をとって応戦します。
トリス(黒騎士)。鎧、ロングソード(SP)、ショートソード(PF)。(AL=LN,F7,AC=3; hp=40; #at=2+1; sf=5; thac0=12,16; dmg=1d8+2,1d6)。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。「父の威光だけでこの地位を得たわけじゃありません！」。「村長カンパリ！。言葉通り年貢の納め時です！」。鎧キメラス「俺は宝石１個につき１ラウンドだけどんな言葉でも翻訳してやるよ。黒山羊の奴は魔法の巻物を食う。そうすりゃ、いつでもその呪文を唱えてくれる。赤竜は魔法のポーションを飲めば炎のブレス(5yard,3d8)を吐く。どいつも発動直前に10％の確率で故障してしまう。そんなときは魔法の武器か鎧を食わせれば元気になる。俺達は常に満腹していたい。どうだい？」。
コブラ(黒騎士)。両手剣(MS,両手持ちSP,ストレングス18/20)。(AL=LN,F7,hp=50,AC=3,#AT=2,SF=7,THAC0=10,Dmg=1d10+6)。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。「村人を見捨てる村長に生きる価値はねぇ！」。「我が剣の腕前はマスタークラス。その技を見せ付けてくれる！」。「気に食わん。村長を差し出して自分たちを助けてもらうつもりかい？」。
老戦士エルク(黒騎士)。モーニングスター(SP)、盾。(AL=LN,F8,hp=50,AC=0,#AT=2,SF=7,THAC0=11,Dmg=2d4+3)。□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□。「村長が逃げれば残された村人も罪に問われる！」。「村長もバーグルも等しく価値が無い！」。
戦闘終了後、村長カンパリは「あなたたちはバーグルを知らないから…。邪悪なる魔法使いは私達の命などただ同然と考えているのだ。誰もあの強力な魔法にはあがなえないらしい。私の年老いた両親もバーグルの魔法で殺されたんだ！」と訴える。
ルルンの町まで村長達を送り届けるとシナリオは終了。もし、村長がミスリル像を持っていたならば、それは邪悪なる僧侶の手に渡ることだろう。