第27話『未来への贈り物』

前シナリオで800年前のアルファティア帝国に飛ばされた考古学者インディが、現在の我々にメッセージを残すための遺跡(迷宮)を建造し、エルフにその管理を委ねた。また、ケイオティックイビルPCの裏切りと始末(おぃ)を行う。

主な登場人物

ディン
齢890歳のエルフ。シナリオ後はどこかへ旅立った。
ネアン
エルフの少年。強がっているが、まだ子供。妹思い。
ルゥ
エルフの少女。呪いにより病弱。盲目。
インディアナ
前シナリオで800年前に飛ばされた考古学者。元PC。

プレイ報告

ジアティス帝国歴999年6月,カラメイコス大公国ルガロフ北方。

珍しいことに、PC5人全員が非スペルキャスター。ファイター3人にシーフ2人。

ルガロフ村でPCの周囲でいくつか怪しい出来事(伏線?)。その後、PC達は宝物を探しに未知なる荒野を進む。途中で出会ったエルフの兄妹。デイジナは赤毛だと判明。少年を連れて洞窟に入る。鍵を持つ少年を守りながら、中規模ダンジョンに挑む。モンスターは弱いがトラップだらけ。謎を解きながら最深部へと向かう。迷宮内で一泊することになったが、翌朝になるとデイジナとブルーゼットがいない(合計6回のウィズダムチェックに失敗!)。その後、ブルーゼットと再会し、デイジナが危機にあることを告げられる。アシュラとラサは迷宮のミノタウロスたちと戦いながら奥へと進む。一方、ひそかに戻るブルーゼット。それに気がついたレコンはブルーゼットを尾行する。そして…縛られたデイジナの姿を見る!。バックスタブでブルーゼットを攻撃し、なんとかデイジナを救出するもブルーゼットには逃げられる。その後、クライマックスの戦闘。ブルーゼットは死亡。迷宮を進んだPC達は…。

生存者4人はそれぞれ 4500[XP]+α を得た。

プレイ中はPHBを一度も参照しなかったと判明(笑)。みんなベテランだなぁ。

DM(おーつか)のコメント

インディ先生は前の回の最後に約800年前にすっ飛ばされました。それは彼が遺跡の第一発見者になりたいと願ったからなのですが、それはそれで彼は幸せでした。なぜなら、伝承や古文書でしか知り得なかった世界を実際に体験する事ができたからです。

シナリオ構想初期からこの『過去からの贈物』を下敷に物語を作っていこうというのは決定していました。

私の場合、意欲的にシナリオ作りに取り組むと十中八九風呂敷の広げ過ぎで話を畳み切れなくなるので、基本は未来に存在する昔の友人に贈物をしたいのでダンジョンを建設しようとし、それだけだと薄っぺら過ぎるのでダンジョンが誰に管理されているか?パーティ内に潜む危険分子を並行に走らせて場面を展開できるように設定しました。

なお、このシナリオはダンジョンものなのですが、正確なマップを前もって用意しておく事はしませんでした。それは、本シナリオではダンジョンの形状が謎解きに直接結び付くような話にするつもりは無かったので、部分の仕掛けをアイデアとして持っていれば事足りると考えたからです。

『ダンジョンが誰に管理されているか?』は少し悩みました。最初は先祖代々墓守を受け継いだ一族にしようかと思いましたが、どう考えても何代目かが墓を暴いてしまいそうなので、結局一人で何百年も生きられるエルフを使いました。老エルフと共に子どもエルフを入れておいたのは単に「泣く子と○○には勝てない」法則を適用したまでで、必然ではなく脚色の範囲です。

『パーティ内に潜む危険分子』の方はようするにPC達が気を許しているところを襲えばよいので、これは誰でも出来る仕掛けでしょう。

3層のダンジョンとミノタウロス級のワンダリングモンスター、そしてパーティー内の裏切り者(性格破綻者とも言う)のご乱心を含めてプレイ時間は約8時間。細かいところはいろいろ問題がありましたが、とりあえずシナリオ全体としてプレイヤー達の不評を買わなくてよかったです。

Satoshi ARAI ( arai@luminet.jp )